家系図を自分で作るときに挫折しやすい5つのポイントと解決策

役所/戸籍証明書

自分のルーツを知り、子や孫へ受け継ぐ家系図づくり
家族の歴史を一枚の図にまとめる作業は、完成したときの達成感もひとしおです。

しかし実際に取りかかると、想像以上に大変で途中で手が止まる人が少なくありません。
ここでは家系図を自力で作成する際に陥りがちな挫折ポイントと、
スムーズに進めるためのコツを具体例を交えながら解説します。


家系図作成の基本ステップ

まずは自分で家系図を作る基本の流れを簡単に押さえておきましょう。

  1. 役所で戸籍を取得する
    本庁舎など戸籍を扱う窓口へ行き、広域交付の戸籍取り寄せ書類を記入します。
  2. 目的を伝えて相談する
    「家系図を作りたい」と窓口で一言添えると、スムーズに担当者と話が進みます。
  3. 戸籍謄本を取得して戸籍を遡る
    自分→父→祖父曽祖父高祖父と順に戸籍謄本を取得。
    自分で戸籍たどり、必要に応じて追加の戸籍謄本を取得。
  4. 家系図にまとめる
    集めた戸籍を整理して図に落とし込みます。

このシンプルな流れの中にも、思わぬ落とし穴があります。


1. 役所に行く時間が確保できない

最大のハードルは役所へ行く時間の確保です。
戸籍の広域交付は即日対応が難しい場合もあり、
1回の請求に人数や回数の制限がある自治体もあります。
平日しか窓口が開いていない地域では、社会人や子育て中の方は特に大変です。

具体例

「仕事を休んで平日に役所へ出向いたが、窓口が混雑していて半日潰れた」
「一度に請求できるのは2通までと言われ、数回通う羽目に」などの声があります。

対策

  • 郵送請求を活用
    申請書を役所の公式サイトからダウンロードし、定額小為替を同封して送る方法なら
    自宅から手続きできます。
  • 事前に問い合わせる
    必要書類や受付時間を電話やサイトで確認し、無駄足を防ぎましょう。
  • 広域交付を活用
    本籍地が離れていても、広域交付制度を利用できる自治体なら移動を最小限にできます。

2. 先祖の人数が増えすぎて収拾がつかなくなる

家系図は世代をさかのぼるごとに先祖が倍々に増加します。
例えば両親2人、祖父母4人、曾祖父母8人…と10代遡ると1,000人を超える計算です。
さらに兄弟姉妹や分家を含めると枝分かれは膨大になります。

具体例

「最初は両親と祖父母までのつもりが、曽祖父母の兄弟まで気になってしまい、
気付けば数百人分の資料が山積みに。どこまで整理するのか分からなくなった」
という体験談もあります。

対策

  • 最初に範囲を決める
    直系のみ、江戸時代まで、などゴールを明確にしておく。
  • 系図作成ソフトや表計算ソフトを利用
    紙だけでなくデジタルで系図を管理すれば、後から範囲を広げる場合も整理が容易です。
  • 調査メモを必ず残す
    調べた日付や出典をメモしておくと、次に調べる際の手間を減らせます。

3. 古い戸籍の文字が読めない

明治時代以前の改製原戸籍などは、くずし字や旧字体が多く
現代人には解読が難しい場合があります。
例えば「與」「齊」などの旧漢字や、くずして書かれた筆文字は
一見すると何の字か分からないことも。

具体例

「祖父の戸籍に出てくる地名や人名が、辞書にもない古い字体で判別不能だった」
「くずし字の連続で、家系図作成が1か月ストップした」
といった声もあります。

対策

  • くずし字辞典やオンラインサービスを活用
    書店や図書館で購入・閲覧できる「くずし字解読辞典」を手元に置く。
  • 役所に相談する
    職員が読める場合もあるので、コピーを持参して聞いてみる。
  • 専門家に依頼
    家系図作成代行業者や古文書解読サービスをスポット利用する方法もあります。

4. 想像以上に費用がかかる

戸籍謄本は1通750〜1,000円
出生・婚姻・除籍など複数必要になるため、
3代遡るだけでも1人あたり3通ほど必要です。
兄弟姉妹や分家も含めると、数万円単位の出費は珍しくありません。

具体例

「曾祖父母まで調べただけで、郵送料も含めて5万円近くかかった」
「最初は1万円以内と思っていたが、想定以上に費用が膨らんだ」
という声がよく聞かれます。

対策

  • 調査する範囲をあらかじめ決める
    「直系4代まで」などゴールを明確にしておく。
  • 一度にまとめて請求
    複数の戸籍を一度に請求すると、郵送料や手数料を節約できます。
  • 必要最低限から始める
    まずは自分〜祖父母まで作成し、完成後に拡張していく方法も有効です。

5. どの役所に請求すべきか分からない

古い戸籍には現在存在しない地名や合併前の町村名が出てくることがあります。
広域交付の対象外なら本籍地の役所へ直接請求が必要ですが、
その本籍地がどこに当たるのか分からないケースもあります。

具体例

「曽祖父の本籍が“○○郡△△村”と記載されていたが、
現在は市町村合併で地名がなくなり、どこの役所に請求すれば良いのか分からなかった」
という体験談は少なくありません。

対策

  • 役所へ直接問い合わせる
    現在の市区町村名を教えてもらえる場合があります。
  • 国土地理院の地図や地名検索サイトを利用
    旧地名から現在の自治体を割り出せるオンラインサービスが便利。
  • 家族の記憶を頼る
    年長の親族が知っている場合もあるため、早めにヒアリングしておくと安心です。

まとめ:挫折を防ぐ3つのコツ

家系図作りは時間・費用・根気が必要な大仕事。
しかし、事前の計画と準備で大きく負担を減らすことができます。

  1. ゴールを決めてから始める
    直系のみ、何代までなど範囲をはっきりさせる。
  2. 郵送やオンラインを活用
    役所通いの回数を減らし、時間と交通費を節約。
  3. 資料解読の備えをする
    くずし字辞典、旧地名検索、専門家相談などの手段を用意。

最後に

家系図づくりは、自分のルーツと向き合う旅です。
調査を通じて知らなかった家族の歴史やドラマに出会うこともあります。

時間はかかりますが、完成した家系図はかけがえのない宝物。
あらかじめ範囲や手順を決め、焦らず少しずつ進めれば、
きっと最後までやり遂げることができます。

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