戸籍電子証明書提供用識別符号とは?取得方法から有効期限までやさしく解説

暮らしと生活 / 役所関連

パスポートの申請や各種行政手続きで必要になる「戸籍謄本(こせきとうほん)」。
これまでは紙の証明書を役所でもらい、窓口や郵送で提出するのが当たり前でした。

ところが今は、マイナポータルという国のオンラインサービスを使うことで、
紙の戸籍謄本を提出せずに手続きできる仕組みがあります。
そのカギとなるのが**「戸籍電子証明書提供用識別符号(しきべつふごう)」**です。

この記事では、この識別符号とは何か、どんな時に必要なのか、
取得方法や有効期限などを、はじめての方でも理解できるようにやさしく解説します。


1. 戸籍電子証明書提供用識別符号とは?

「戸籍電子証明書提供用識別符号(以下、識別符号)」とは、
16桁の数字で構成されたパスワードのようなコードです。

このコードを使うと、役所やパスポートセンターなどが
直接あなたの戸籍データを確認できるため、戸籍謄本や抄本を紙で提出する必要がなくなります

例えばパスポートを新しく作るときや、結婚・転籍などで氏名や本籍が変わったときでも、
紙の戸籍謄本を取りに行かずにスマホだけで手続きが完結できる場合があります。


2. どんな手続きで使えるの?

識別符号は、主にパスポート(旅券)申請で使われています。

ただし、すべての人が事前に取得しなければならないわけではありません。
ここでは代表的なケースを分かりやすく紹介します。

(1)本人が直接パスポートを申請する場合

  • マイナポータルでパスポートを申請する際、
    画面上で戸籍の確認と符号の発行が自動的に行われます。
  • そのため別途識別符号を取得する必要はありません

(2)代理人が申請する場合(未成年など)

  • 未成年(15歳未満など)や、代理人が代わりに申請するケースでは、
    申請前にこの識別符号を取得しておく必要があります。

代表的なケースは次のとおりです。

  • 新規申請(初めてパスポートを作る場合)
  • 記載事項変更(結婚や養子縁組などで氏名や本籍が変わった場合)
  • 紛失届出+新規申請(有効中のパスポートを紛失して再発行する場合)

参考リンク
マイナポータルQ&A:未成年者のパスポート申請


3. 有効期限と使える期間

識別符号の有効期限は取得した日から3か月です。

例えばパスポート代理申請に使う場合、申請の翌開庁日から数えて
5開庁日以上の有効期間が残っている必要があります。

  • 取得した日や有効期限は、
    マイナポータルにログイン → 「やること」→「戸籍電子証明書の提供の請求」→申請状況照会で確認可能。
    申請状況照会マニュアル

また、識別符号は同じ戸籍の家族なら有効期間内に何度でも利用できます
例えば家族全員がパスポートをまとめて申請する場合、1つの識別符号を共有できます。


4. 取得方法は2通り

識別符号は、マイナポータルからオンラインで取得する方法と、
市区町村窓口で取得する方法があります。

(1)マイナポータルで取得する(無料)

15歳以上で署名用電子証明書が有効なマイナンバーカードを持っていれば、
スマホやパソコンから24時間いつでも無料で取得できます

取得手順

  1. マイナポータルにログイン
  2. 「さがす」→「証明書」→「戸籍電子証明書の利用申請」を選択
  3. 本籍地や申請者情報を確認
  4. 署名用電子証明書の暗証番号(6〜16桁の英数字)を入力
  5. 申請状況を確認すると、16桁の識別符号が発行されます

詳しい画面操作は
操作マニュアル:戸籍電子証明書提供用識別符号の取得申請
で確認できます。


(2)市区町村窓口で取得する(有料の場合あり)

次のような方はマイナポータルでの取得ができません。

  • マイナンバーカードを持っていない
  • 署名用電子証明書が失効している
  • 15歳未満で代理申請が必要

この場合は本籍地や住民票のある市区町村役場の窓口で手続きします。
必要書類や手数料は自治体によって異なるため、事前に公式サイトで確認してください。


5. 15歳未満が利用する場合

15歳未満の方は、自分でマイナポータルにログインして
識別符号を取得することはできません。
ただし同じ戸籍の家族(15歳以上)が代理で取得することは可能です。

代理申請の条件

  • 同じ戸籍内の家族(例:父母・兄姉)
    → 代理人が自身のマイナンバーカードでマイナポータルにログインし、
    「戸籍電子証明書の利用申請」を行うことで取得できます。
  • 異なる戸籍の家族や親族
    → 代理取得はできません。
    必ず同じ戸籍内の15歳以上の方に依頼してください。

このように、戸籍上のつながりが代理申請の条件となる点に注意が必要です。


6. まとめ:識別符号を使えばパスポート申請がもっと簡単に

ここまでのポイントを整理します。

  • 識別符号とは
    戸籍情報を行政が直接確認するための16桁のコード。
    紙の戸籍謄本を提出せずに手続きできる。
  • 必要な場面
    代理人によるパスポート申請(新規・記載変更・紛失再発行など)では事前取得が必要。
    本人申請では自動取得されるため不要。
  • 有効期限
    取得から3か月間。申請時点で5開庁日以上の残りが必要。
  • 取得方法
    • マイナポータル(無料・24時間可能)
    • 市区町村窓口(有料の場合あり)
  • 15歳未満
    自分で取得はできない。
    同一戸籍内の15歳以上の家族が代理で取得する。

パスポート申請をはじめ、今後ますますオンライン化が進む行政手続き。
戸籍電子証明書提供用識別符号を活用すれば、役所へ足を運ぶ回数や書類の準備を大幅に減らすことができます。
旅行や留学、ビジネス渡航の準備をスムーズに進めるためにも、早めに理解しておくと安心です。


参考リンク(公式)

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