結婚や離婚で名字(姓)が変わると、銀行口座や職場の書類などで旧姓と新しい姓が合わず、手続きが面倒になることがあります。
そんな時に役立つのが「旧姓併記(きゅうせいへいき)」という制度です。
旧姓併記をしておけば、住民票やマイナンバーカード、運転免許証などに「旧姓(以前の名字)」を今の名字と一緒に載せることができます。
本人確認や契約の手続きがスムーズになり、余計な書類の提出を求められることも減ります。
旧姓を記載するとどんなメリットがあるの?
名字が変わった後も、次のような場面では旧姓のまま手続きが必要なことがあります。
- 仕事関係:職場で旧姓のまま仕事を続けている
- 銀行やクレジットカード:旧姓で契約している口座やカード
- 資格証明や免許:旧姓の名前で登録してある国家資格や免許
- 子どもの学校関係:旧姓で記入していた書類の確認が必要な場合
こうしたとき、住民票やマイナンバーカードに旧姓を載せておくと、
「これが私本人です」とすぐに証明でき、確認の手間や追加の書類提出が不要になります。
旧姓を載せられる主な書類

旧姓併記ができる主な公的書類は次の3つです。
- 住民票
- マイナンバーカード
- 運転免許証
1. 住民票
市区町村の役所で申請します。
旧姓の載った戸籍謄本(こせきとうほん)などが必要です。
申請が受理されると、住民票に「現在の姓(名字)+旧姓」が一緒に記載されます。
2. マイナンバーカード
住民票に旧姓が載ったら、マイナンバーカードにも同じ旧姓を記載できます。
住民票の申請と同じ窓口で一緒に手続きすることも可能です。
3. 運転免許証
運転免許証に旧姓を記載するには、まず住民票に旧姓が載っていることが条件です。
その後、免許センターや警察署で申請します。
手続きの流れ

住民票・マイナンバーカードに旧姓を記載する方法
- 必要な書類を用意
- 旧姓が載っている戸籍謄本または除籍謄本
- 本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)
- 役所の申請書(窓口か自治体ホームページで入手)
- 市区町村役場で申請
役所の窓口で旧姓併記を希望することを伝え、書類を提出します。 - 住民票・マイナンバーカードに反映
申請が受理されると、住民票には「(旧姓)」が括弧付きで追加され、マイナンバーカードも同じ表記になります。
※自治体によって手続きや必要書類が異なる場合があるので、事前に手続きする役所に確認してください。
運転免許証に旧姓を記載する方法
- 旧姓が載った住民票を取得
- 運転免許センターまたは警察署で申請
必要書類(住民票・本人確認書類・申請書)を提出します。 - 新しい免許証を受け取る
免許証に「現在の姓+旧姓」が並んで記載されます。
運転免許証の旧姓表記について ⇒ 警視庁公式ホームページ
旧姓を証明するために必要な戸籍の見方
旧姓の証明には 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)が必要です。
戸籍謄本の「身分事項欄」には、結婚や離婚で名字が変わった記録が残っています。
ただし、婚姻で本籍地を移した場合や、古い戸籍をコンピューター化した場合は
過去の記録が一部省略されていることがあります。
その場合は、必要に応じて以下の書類も一緒に取得しましょう。
- 改製原戸籍:昔の戸籍の内容をそのまま写したもの
- 除籍謄本:戸籍から抜けた人の記録も含むもの
- 戸籍の附票:住所の履歴を確認できるもの
よくある質問
Q. 戸籍謄本で旧姓は証明できますか?
A. はい。結婚や離婚の記録が載っているため、旧姓を証明できます。
Q. 旧姓併記をやめたい場合は?
A. 一度載せた旧姓を削除・修正することも可能です。自治体の窓口で再申請してください。
まとめ
- 旧姓併記をしておくと、仕事・銀行・資格・学校関係の書類確認がスムーズに
- 住民票・マイナンバーカード・運転免許証に旧姓を載せられる
- 手続きには戸籍謄本など旧姓がわかる書類が必須
- 古い戸籍が必要になる場合もあるので、事前に確認を
結婚や離婚で名字が変わった方にとって、旧姓併記は手続きの時間と手間を大きく減らしてくれる便利な制度です。
早めに準備しておけば、これからの書類手続きがぐっと楽になります。
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